ＴＯＰ＞ 株式格付け＞方針大転換？ ユニリーバ買収騒動による遺産相続の再考
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「？ 遺産って誰から誰への？」
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「無論、吾輩から、吾輩の家内と息子へだ」
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「そんな縁起でもないこと言わないで下さいよ！」
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「まあ落ち着け。とは言っても、吾輩はまだ若いし健康だし、あと100年は生きるつもりではあるが」
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「……それは長生きし過ぎです（呆）」
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「気は心というヤツだ」
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「それにしても、なぜ急に遺産の話を？」
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「先のユニリーバ買収騒動で、先々の懸念が出てきてな」
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「懸念？」
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「うむ。吾輩が配当株投資をしている目的の１つは【配当生活による早期リタイヤ】だが、もう１つ大きな目的がある」
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「それが遺産かニャ？」
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「そうだ。吾輩に万が一の事があったら、家内と息子に配当株を【一定の収入源として相続させる】ことが第二の目的だ」
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「おー、成程だニャ」
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「それは初耳ですが、堅実な遺産だと思います。ですが、それとユニリーバの一件が、どう関係すると？」
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「もしあの時、ユニリーバがクラフトハインツに買収されていたら、吾輩はユニリーバ株を手放す代わりに、幾ばくかの金と、クラフトハインツの株を貰っただろう」
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「2/3を現金で、1/3をクラフトハインツの株式で払うという取り決めでしたね」
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「だが、どうも話を聞くところによると、貰うクラフトハインツの株は、特定口座ではなく一般口座に入庫されるらしいのだ」
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「特定口座？ 一般口座？」
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「簡単に言えば、所得税の税金処理を全て自動でやってくれるのが特定口座、全て自分でやらねばならないのが一般口座だ」
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「……え？ それって、特定口座の方が全然いいですよね？」
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「そうですね。一般口座は必ず確定申告が必要になります。特別な理由が無ければ確定申告不要の、特定口座（源泉徴収あり）を活用するべきでしょう」
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「はーい（メモメモ）」
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「特定口座が便利なのは分かったニャ。でも、それが旦那さんの目的にどう関係するのかが良く分からんニャ」
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「あー、つまりだな？ 吾輩が存命中はまだいい。しかし吾輩亡き後、もし今回の騒動のように、一般口座に株式が放り込まれる事態になったら、非常に困ったことになる」
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「……成程。一般口座による確定申告は、それなりに知識が必要ですからね」
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「そうだ。吾輩は遺産を残したいのであって、手間を残したい訳ではない。せめて、受け取った配当金を円転して銀行口座に振り込む、くらいの手間で済ませてやりたいのだよ」
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「話は分かったけど、今回のユニリーバみたいな話がそうそうあるとは思えんニャ」
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「買収は無いかもしれんが、スピンオフという可能性はある」
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「スピンオフでも、一般口座に入庫されてしまうのですか？」
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「どうやらそうらしい。あと一般口座の話だけでなく、保有銘柄が倒産とか減配とかなった場合、それらの対処を家内や息子に任せられるか、という問題もある」
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「先輩ほど個別銘柄投資に熱心であれば兎も角、普通は難しいでしょうね」
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「という訳で、相続やその後の手間を最小限に抑えるための遺産を作らねば、と改めて思ったのだよ」
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「ん～～～。かにさんの懸念は分かりました。それで、具体的な方法はあるんですか？」
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「ああ、大きく分けて２つの方法がある。まず１つが、吾輩がポックリいったら個別株式を全て売却し、現金に換える方法だ」
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「そうすると、20％の税金が課せられますが？」
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「それは致し方ない。その上で相続税を支払って貰う」
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「しかし、それでは奥様とお子様に【一定の収入源】を残すという目的は果たせないのではないでしょうか？」
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「ああ。なので、相続税を支払った後、残った現金で新たにETFに投資するよう、指示書を残す」
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「ETFって、具体的には？」
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「iシェアーズ・コア米国高配当株ETF【HDV】とバンガード・米国長期債券ETF【BLV】を50:50、というところだな」
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「……成程、ETFであれば買収もスピンオフも発生しないと」
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「そういうことだ。そうすれば、後は配当金を円転して銀行口座に移すだけでOKになる。まあ、その頃までには国内産ETFで十分な流動性のある高配当ETFが出来ていて欲しいがな」
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「じゃあ２つ目は？」
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「吾輩が存命中、つまり今からETF運用に切り替える」
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「そのETFを、そのまま株式相続させるということですね？」
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「そうだ。相続税を払える分だけは売却することになるだろうが、丸ごと全部売却するより所得税は安く済むだろう」
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「そうですね。その代り、今現在、個別株式売却分の所得税は発生してしまいますが」
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「それも止むをえまい。幸い、今ならまだ、それほど課税されずに済むことだしな」
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「……かにさんはそれでいいんですか？ 個別株で運用するの、好きなんでしょ？」
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「いいのだよ。吾輩の好みで、家族に手間を残す訳にはいかんからな」
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「……うん。かにさんがいいなら、私も賛成です♪」
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「うむ。まあ、２つの方法どちらを選択するかは、近々決めるとしよう。より手間が少ない方を、な」
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